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『暴力装置』は誰の言葉か。

『暴力装置』は誰の言葉か。
 結論から言うと、これはレーニンのGewaltapparatという概念の日本語訳であるが、マックス・ヴェーバーの『合法的な暴力の独占』という概念に近接したものである。
マックス・ヴェーバーの『合法的な暴力の独占』は、軍隊や警察だけでなく、あらゆる国家権力を想定しており、それを一定領域内で行使できるのが主権国家であるとしている。
それに対し、レーニンの『暴力装置』或いは『国家権力の主要な力の道具』とは、警察と軍隊を指し、ブルジョアジーがプロレタリアートを抑圧するための『武装した人間の特殊な部隊』であるとしている。また、プロレタリアート独裁が実現した後にはブルジョアジーを掃討するためのものとできることも示唆している。

 政治学的には、国家に独占された合法的な暴力(意識的にか無意識的にかレーニンの言葉を流用して)『暴力装置』と表現し、大きな力であるのだから、文民統制をきっちりしなければならない、という話につながる。
しかし、レーニン流の解釈である抑圧するものとして使われたり、ただ単に『暴力』という語感から、悪者として捉えられたりと、なかなかカオスな用語である。
 
2010年11月23日追記

『国家と革命』(レーニン)は1917年、講演:『職業としての政治』(ウェーバー)1919年。ウェーバーがレーニンの『国家と革命』を意識して『『職業としての政治』を講演したという指摘もある。

なお、ウェーバーが先のようになっている記述は間違いである。
ごめんなさい。



 さて、混乱の源はGewaltapparatの『Gewalt』。何か、音だけ聞くと、ゲバ棒ブン回して警察隊に突入だヒャッハー!!みたいな印象を受けますが、それは日本ローカルでの話。独和辞典を引けば『暴力』よりも遥かに広い意味となっている。
新アクセス独和辞典
(1)権力;支配力
die richterliche <gesetzgebende> 司法(立法)権
(2)〔複数なし〕暴力、暴行:強制的な力
・・・・というわけで、日本語の『暴力』に含まれている『不当な』というイメージはない。




資料


合法的な暴力の独占
独名 Gewaltmonopol des Staates
英名 monopoly on legitimate violence

講演『職業としての政治』 マックス・ヴェーバー
 国家とは、ある一定の領域内部で、正当な物理的暴力行使の独占を(実効的に)要求する人間共同体である。


Wikipedia - 暴力の独占
ロシア革命を主導したレーニンも著書「国家と革命」の中で警察や軍隊を「暴力装置」と批判的に表現した。
一定の領域において単独の主体(国家)が暴力に関する権威・権限を行使する状態を定義したものであり、領域もまたヴェーバーによって国家の特性として定義された。


Twitter - 山脇直司/哲学者:東京大学大学院総合文化研究科教授
国 家を「ある一定の領域の内部で正当な物理的暴力行使の独占を(実効的に)要求する人間共同体」と定義したのは、マックス・ヴェーバーであった。この「正当 な(legitime)」を単なる合法的手続きとして捉えるのか、人々の熟議を通しての合意に基づくものとして捉えるのかが大きな争点となる。

ヴェー バーは国家による支配の正当性(legitimcy)を伝統、カリスマ、合法性に求めたが、合法性の正当性については問わなかった。それを不満としたハー バーマスが人々の熟議に基づく合意に法の正当性を求めようとしたのは有名である。今日の仙谷失言を機会に再考されるべきテーマと言えよう。




暴力装置
独名 Gewaltapparat

著書『国家と革命』 ОСУДАРСТВО И РЕВОЛЮЦИЯ
ウラジーミル・レーニン
軍隊はすべからく、資本家階級国家の暴力装置である。労働者階級は、その階級独裁のもとで軍隊を管理・指導しなければならない


国家と革命 - 赤色土竜党(共産趣味サイト)
第一章 階級社会と国家
二 武装した人間の特殊な部隊、監獄その他
 エンゲルスは、国家とよばれる「権力」、すなわち、社会から生まれながら、社会のうえに立ち、社会にたいしてますます外的なものとなってゆく権力の概念を展開している。この権力は、主としてなににあるのか? それは、監獄等を意のままにする武装した人間の特殊な部隊にある。
 われわれが武装した人間の特殊な部隊と言うのは、正当である。なぜなら、あらゆる国家に特有な公的権力は、武装した住民や、住民の「自主的に行動する武装組織」とは、「直接には一致しない」ものだからである。
すべての偉大な革命的思想家と同じように、エンゲルスは、世間一般の俗物どもにはなにも注意するにあたらない、もっともありきたりのものと思われているもの、強い偏見どころか、いわば石のようにこりかたまった偏見によって神聖視されているもの、ほかならぬこうしたものに自覚した労働者の注意をむけようとつとめている。常備軍と警察とは、国家権力の主要な力の道具である。だが、――はたしてそれ以外のものでありうるだろうか?
第二章 国家と革命。一八四八―一八五一年の経験
一 革命の前夜
 「国家、すなわち支配階級として組織されたプロレタリアート」――マルクスのこの理論は、プロレタリアートが歴史上はたす革命的役割についての彼の学説全体と不可分に結びついている。この役割を仕上げるものが、プロレタリア独裁であり、プロレタリアートの政治的支配である。
だが、もしプロレタリアートには、ブルジョアジーに鋒先をむけた特殊な暴力装置としての国家が必要であるとすれば、この暴力組織の創出は、ブルジョアジーに自分のためにつくりだした国家機構をまえもって廃絶することなしに、それを破壊することなしに、はたして考えられるか、という結論がひとりでに出てくる。『共産党宣言』は、この結論のごくまぢかまで接近している。そしてマルクスは、一八四八―一八五一年の革命の経験を総括するさいに、この結論について述べている。


日本共産青年同盟機関誌「青年戦線」第8号基礎学習文献解説「国家と革命」 - 赤色土竜党(共産趣味サイト)
古代奴隷制国家は奴隷所有者の、封建国家は封建貴族のそしてブルジョア国家は、ブルジョアジーの階級的利害を社会に強制するためのものであった。そこにおいては、自らの特殊な利害を全社会に共通な利害として主張するための、「武装した人間の特殊な部隊」を不可欠とする。そうした特殊な暴力装置の存在こそは、国家が、諸階級の対立を調停したりする、階級対立から独立した機関ではなく、支配階級が、被支配階級を抑圧するためのものであることを証明している。まさに国家こそは、搾取階級が被搾取階級をしぼりとするための道具としての位置をもっているのである。



リンク
Togetter - マックス・ウェーバーは「暴力装置」という言葉を使ったか?
Togetter - 「暴力装置」の語源と訳語をめぐって



2010年11月23日
間違い発見。
急いで改訂
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