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iPS細胞について

 最近話題のiPS細胞ですが、 周りを見てみると「なんだかわからないけど凄いね」みたいな感想が少なくないですね。

難しい話に見えるからでしょうが、実際の所、概要を捉えるくらいだったらそれほど難しいわけではないのです。

というわけで、何とか、分かりやすく書いてみようか…と思い立ってiPS細胞について書いてみました。

まあ、下手に僕が書くより「もっとくわしく知りたい。」の項に置いたリンク先のほうが解りやすい…かも……。




iPS細胞とは何ぞ?

 iPS細胞というのは万能細胞(※1)の一種であります。

(万能……中二心をくすぐられますね。)

万能と一口に言っても、様々な万能さがありますが、万能細胞の持つ万能さというのは、
一言で言えば、「人体を構成するどんな細胞にもなれる」ということです。

通常、体内で働いているほとんどの細胞~体細胞というのは役割が決まっていて、その役割に特化しています。

そして今やってる仕事を止めて別の役割に変わる……というのは細胞にとってはとても難しいのです。

(プログラマーがある日突然思い立って、自動車整備工になるのは難しい……というイメージ)

ところが、体細胞を取り出してiPS細胞に変えてやって、条件を整えてやると、色々な役割の細胞に変化できるんですね。

例えば、損傷した神経だとか、働かなくなったインスリン分泌細胞とか、満足に動かなくなった臓器、或いは不妊の方の生殖細胞。

こういったものの代替として活躍できる……と期待されております。



(※1) 正確には「万能」というには少しだけ万能さが足りないのですが、 医療的にはあまり問題ないそうです。




ES細胞との違いは?

iPS細胞とES細胞というのはその目的・能力は大体のところ同じです。

しかし、その細胞をどこから採ってきたのかが違います。

ES細胞は受精卵が少し細胞分裂した「胚」から採ってきます。

受精卵は既に生命であると考える人々にとっては、 ES細胞の研究・活用するのは、殺人を犯すようなものですから、 極めて受け入れがたいものでした。

一方、iPS細胞はES細胞とは違い、体細胞、 つまり普通に体を構成している細胞から採ってきていますから、 ES細胞のような倫理的な問題はある程度クリアできたと見て間違いないでしょう。

倫理的な問題に抵触せずに医療が発展するとあって、ローマ法王庁も好意的に見ています。



もう一つ重要な違いがあります。
ES細胞は胚を使うために、医療に使う場合、ほとんどは他人の細胞を使うことになります。

このため、拒絶反応が出やすいという欠点があります。

それにくらべ、iPS細胞は自分の細胞を使って作れますから、 ES細胞に比べて拒絶反応が少ない、または起こりにくいのです。

拒絶反応が全く起こらないかどうかは未だ論争中です。




iPS細胞の作り方は?

天然の万能細胞というのは「受精卵」です。

まあ、受精卵から人体になるんだから当然ですよね。

であるなら、受精卵に似た細胞を作ってしまえば万能な細胞ができるわけです。

ES細胞は、受精卵から少しだけ成長した「胚」を使って受精卵に近い状態を作りました。

一方、iPS細胞では、体細胞に4つの遺伝子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を入れることで、 受精卵に近い状態まで持っていけることが判明しました。

この四つの遺伝子を特定したのが山中教授で、 4つの遺伝子はヤマナカファクター(山中因子)と呼ばれています。




iPS細胞で何ができる?

成体を構成するほとんどの細胞になることができるので、 傷ついたりダメになってしまった組織を修復したり置き換えたりするための材料として使えます。

  • 神経を傷つけてしまって不自由している人のために神経細胞を作る。
  • 糖尿病の改善のためにインスリンを生産する細胞を作る。
  • 角膜を作る。
  • 血球を作ったり、血球になる造血細胞を作る。
  • 心臓が悪い人のために心筋を作る。
  • 骨を作る。
  • 肝臓細胞を作る。
など、多岐にわたって活用が期待できます。




iPS細胞の課題とは?

夢の様な新技術とも言えるiPS細胞ですが、まだまだ課題は多いです。

初期のiPS細胞は体細胞に4つの遺伝子を組み込んで作られますが、 その遺伝子の一つ、c-Myc遺伝子は発がんを強める傾向がありました。

この問題は、c-Myc遺伝子を使わない方法が開発されることで解決されましたが、 まだ問題は残っています。


体細胞をiPS細胞にするために、レトロウイルス(逆転写ウイルス)を使って遺伝子を導入しています。

きちんと改造された逆転写ウイルスは、目的の遺伝子を効率良く細胞内に運んでくれます。

しかし、細胞内に入った遺伝子がどの部分に配置されるかが調整できないため、 運が悪いと近所の癌遺伝子を活性化してしまいます。



これを回避するため、別の手段でiPS細胞化させるための遺伝子を運んだり、 あるいは、その遺伝子を使って作られるタンパク質を直接細胞に注入する方法も開発されてきています。

タンパク質を直接導入したiPS細胞は新たにpiPS細胞と名付けられました。

piPS細胞は未だ動物実験の段階で、ヒトの細胞でも出来るよう、研究が進められています。








もっとくわしく知りたい。


文部科学省 iPS細胞等研究ネットワーク - iPS細胞について
CiRA(サイラ)京都大学 iPS細胞研究所 - よくある質問
CiRA(サイラ)京都大学 iPS細胞研究所 - iPS細胞基本情報







iPS関連リンク


Shinya Yamanaka Lab(山中伸弥教授の研究室)
文部科学省 iPS細胞等研究ネットワーク
CiRA(サイラ)京都大学 iPS細胞研究所
iPS細胞 再生医療応用プロジェクト
独立行政法人科学技術機構 - iPS細胞と生命機能
ヒトiPS細胞等研究拠点整備 東京大学
iPS細胞医療応用加速化プロジェクト
再生医療の実現化プロジェクト










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まとめ【iPS細胞について】

 最近話題のiPS細胞ですが、 周りを見てみると「なんだかわからないけど凄いね」みたいな感想が少なくな

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